小生江戸川区の介護保険の認定審査委員を務めております。介護保険のサービスを希望された方が、区に申請を出すと、区から調査員がお宅まで伺って調査票を作成して提出します。同時に主治医に意見書の提出が求められます。個人情報を伏せたかたちで、2種類の書類がわれわれ認定審査委員のところに回されて事前に検討のうえ、持ち寄って委員会を開き、申請者が受けられるサービスのランクを決定する仕組みです。
江戸川区の場合、各委員には3ヶ月に当番の月が回ってきて、その月には普通2回の委員会が開かれます。ここのところ申請者が多いようで今月は委員会が3回、1回当たりの人数も若干増やされています。
委員会は開催日時ごとの8つのグループにわかれ、各委員が3ヶ月に1度、委員会は4人の委員で行われますから江戸川区には約100人の委員がいることになります。委員は医師や歯科医師、薬剤師、理学療法士、ケアマネージャー、介護施設のスタッフ等から偏らないように選ばれていますが、各委員会に医師は必ず1名は入ることになっています。
委員会の1週間前になると54人分の書類の束が送られてきます。各人にはコンピュータによって、軽いほうから非該当、要支援1と2、要介護1から5の8段階の一次判定が付けられています。、我々の仕事は書類の隅々まで目を通して、その一次判定で異存がないか、変更するべきとしたらその理由は何かということを考え、委員会当日持ち寄って最終判定をくだすことにあります。具体的な理由なしに一次判定を変更することは許されていません。
54人分の書類にはそれぞれの方の人生の縮図が詰まっています。若くして認知症におかされた方、癌の痛みで身動きがままならない方、不自由な体で人の力を借りず独力でやっていこうとされる方、介護していた方が耐え切れなくなって助けを求めているケースなど実にさまざまです。これほど重い読み物は他に無いかもしれません。酒飲みの小生もこの書類の束に目を通すときは酒を控えております。
今週はまた委員会です。3晩かけて書類の束には目を通し終わりました。あとは心の準備です。