昨日から12月28日まで新宿の東郷青児美術館で行われている丸紅コレクション展に行って来ました。ボッティチェリの美しきシモネッタをメインに、江戸時代の着物などの展示が同居するちょっと不思議な展覧会でした。
実は先日フェルメール展にも行って来たのですが、あまりの人の多さに辟易して、感想をアップする元気も無かったのですが、しかし今日の展覧会は日曜日にもかかわらずゆったり鑑賞できました。夏に訪れたウフィーツィ美術館やアカデミア美術館では、入館を厳しく制限するので、入館待ちの長蛇の列ができますが、一旦中に入ればゆったりと鑑賞できたのですが、ただそうすると入らずに帰ってしまう人が多いので、経営的にはどんどん詰め込んだ方が有利なのでしょうね。
シモネッタ・ヴェスプッチという女性もルネサンスに興味のある人間にとってはとても興味深い存在です。しかしそんなことは関係なくとても美しい女性、素晴らしい絵でした。こんな絵が日本にあったのですね。ダ・ヴィンチとは対照的なくっきりとした輪郭線、極端なまでに簡素化された背景。そしてなによりもその色彩。
ウフィーツィ美術館の春やヴィーナスの誕生に比べると小品ですが、むしろそれらを凌ぐボッティチェリの代表作でしょう。
この絵が日本に来て30年、公開されるのは3回目、普段は丸紅の役員室に架けられているそうです。是非丸紅さんには、太っ腹なところをみせて、西洋美術館あたりに常時貸し出して、常に誰でも見られるようにしていただきたい、と切に思いました。お薦めの展覧会です。