ボストン美術館日本美術の至宝展に行って参りました。入館まで30分待ち、内部も大変な混雑でしたが素晴らしかった、行ってよかったです。
パンフレットに使われている蕭白の龍、若冲の羅漢、光琳の松島など途方もない逸品揃いです。
なかでも一番気に入ったのが平安末期の吉備大臣入唐絵巻です。平安時代の公家文化というと何となくこそばゆいようで、いままで親しまずに来ましたが、ユーモアにあふれた絵巻です。絵巻なので掛けるのでなく置く形の展示なので、最前列に並ばないとよく見ることができません。ところが後からズル込しようとする人が後を絶たないので、入れさせまいと左右の人と密着して不思議な連帯感が生まれておりました。
このような至宝が海外へ流出したことは残念な反面、外国で大切にされていると思うと嬉しくもあります。
6月10日まで上野国立博物館。
2012.06.03更新
第72回 ボストン美術館展
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2012.03.25更新
第71回 和のよそおい
厳しかった冬の寒さもようやく緩みやっと春の気配です。
ブログの更新サボっていること、気にはなっていたのですよ、しかし、3月も末になっていまさら新春の挨拶も変だし、もとより大所高所からの論説など柄でなく、当たり前のような日常が続いていて、格段報告するようなこともなく、平凡な日常が続いています。
平凡な日常を送れるのはこんな私でも贔屓にしてくださる皆様のおかげ、平凡であることがいかに有難いことか気づかせてくれたのが去年の震災でした。
休日の今日はいつものようにスパゲッティを食べに行った後、女房に引きずられて広尾の山種美術館に「和のよそおい」(今日で終了)を見に行ってまいりました。上村松園、鏑木清方、伊東深水などの美人画展です。
会場は9割が女性、うち1割の方は着物姿と、テーマの通りタイムスリップしたような独特な雰囲気の空間でした。暖房が効きすぎて暑さのあまり、上着にセーターも脱いでワイシャツを腕まくりしたおじさんはまったく場違いだったのでは。
普段日本画は殆ど見ない私ですが、伊東深水の鮮やかでいて調和のとれた色彩には大いに心惹かれました。画像(絵葉書より)は伊東深水の吉野太夫です。髷の形や茶入れの柄まで考証が行き届いているそうです。ちなみにこの画家は朝丘雪路の父上だそう。この名前を覚えただけでも収穫でした。
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2011.12.17更新
第70回 淋菌性結膜炎
夏にホームページをリニューアル、ブログの更新がとても楽になったことに満足して、更新しないままにしてしまう、私の性格の典型的な面が出た感じで更新が滞っているうちにもう年の瀬です。
もうひとつ更新をさぼったもう一つの理由がフェイスブックをはじめたことで、日常の出来事をつづるには実に手頃で、ポチポチ書いています。垂れ流しのツィッターは直ぐにあきてしまったのですが、フェイスブックは続けられるかも(?)しれません。よろしければ見てやってください。
今日取り上げたいテーマは私は一度も見たことがない、それでいて縁の浅くない病気、淋菌性結膜炎です。淋病については35回で述べましたが、その原因となる淋菌が眼に入って結膜炎を生じた状態です。とにかく薬が効かないのでやっかいな性感染症です。
尿道から膿が出ていれば、一目見ただけで淋病と決まるものですが、膿性の眼脂が出ていると眼科の先生は頻度的にまずアデノウイルスの結膜炎を考えるそうで、うっかり通常の点眼薬を使用したりしていると、進行が急激であり、また現在世にある点眼薬で淋病に効果があるものはただの一つも【!】存在しないため、角膜を穿孔して失明に至る例が急激に増加しています。
精液が眼に入った、あるいは尿道の膿が付着した指が眼に触れるようなことがあったあと、結膜炎の発症までは半日から3日というところ。事態は一刻を争うので、眼科医に恥ずかしがらずに正直に申告すること。また自分の咽頭に気が付かないうちに淋菌を飼っている場合そこから指を介しての感染も考えられます。一般の眼科で淋病の治療薬の注射液を常備しているところは少ないので、受診するのは総合病院がよいでしょう。当院では診療できかねます。なお心配するのは膿性の眼脂が出た場合だけ、症状がないのに心配する必要は全くありません。間違ってもビデオに影響されて顔に精液をかけるようなマネをしてはいけません。
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2011.08.27更新
第69回 ホームページリニューアル
ホームページリニューアルいたしました。担当O君の頑張りで結構きれいになったように思いますがいかがでしょう。
まだあちこち工事中です。少し役に立つサイトになればと思います。
併せてfacebookはじめていますので、よろしかったら いいね!お願いします。
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2011.07.16更新
第68回 節電の影響その2
節電の夏に猛暑襲来。皆様くれぐれも熱中症にはお気をつけください。 当院でも節電の一環として、電気喰いのレントゲンフィルムの自動現像機を停止して、夕方一日分のフィルムをまとめて現像する方法で対応して参りましたが、見たいときにすぐレントゲン写真が見られないのは呼吸器科医にとって大変なストレス。 それで大奮発してCR(コンピュータX線撮影)システムを導入(ほとんど衝動買い)しました。運用をはじめて2週間ですが、本当に便利になりました。思いついたときに直ぐ撮れて、お待たせする時間ほぼ0で見ることができ、またいつでも見直すことが可能、撮影条件のヘマもカバーしてくれます。 その一方当院のごとき零細では元がとれるはずもなく、経費でオモチャを購入したと一人納得するしかない。 それに写真の出来がどの写真も85点。失敗がないかわりに最高の出来のアナログフィルムの惚れ惚れするような美しさに欠ける。まあ診断にはおそらく影響しない趣味の領域の話。肺のレントゲンに見とれる一風変わった男のたわごとと聞き流してください。 この新しいシステムのため我が机に乗ったディスプレイは24インチのプロ仕様の高級品、使わない時間がもったいないので、安物の小さいデスクトップパソコンを追加購入、インターネット環境を今までのミニノートから移行して切替えて使用するようにしました。とても快適になりましたが、果たして本当に節電になってる?
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2011.06.15更新
第67回 節電の影響
当院の庭でクチナシが咲き始めました。節電モードでエアコンをいれず、窓を開けているので診察室まで微かに香りが漂います。節電にも多少いいことがあろようです。皆がエアコンを使わないと東京の気温も少しは下がらないかな。昨年のような猛暑で熱中症続出といった事態にならないことを願います。
節電の影響がもうひとつ。レントゲンの現像機、これが大変な電気食いなので普段止めてしまっています。いざ使おうとすると立ち上がりに30分もかかるので、結構フラストレーションが溜まっています。この機会に現像機不要のCR(コンピュータに表示するシステム)に変えてしまおうかと考慮中ですが、既に机の上には2台のコンピュータが載っているのにさらにもう一台、スペースが最大の問題です。
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2011.01.04更新
第66回 本年もよろしくお願いいたします。
明けましておめでとうございます。
お休みをいただいておりますが、明日1月5日より診療を再開いたします。
休み中2日間、江戸川医師会休日急病診療所に詰めておりました。両日とも決して暇では無かったのですがいつに無く静かな急病診療所でした。静かだった理由は、いつに無く子供の患者さんが少なく、大人の患者さんが多かったことです。ノロと思われる胃腸炎と、A型インフルエンザが目立ちました。一方子供さんではインフルエンザがほとんど見られなかったのが特徴的でした。
2009/2010のシーズンの新型インフルエンザの流行時、罹るべき子供さんたちは殆ど罹ってしまった反面、大人の間ではさしたる流行にならなかったことから予想されていた現象、いわゆる第3波と言っていい状況ではないかと思います。
2010/2011シーズンでは最初A香港型が多かったのですが最近になって新型が増加して逆転したことと一致します。
ワクチンの供給には充分余裕がありますので、接種がお済で無い方はできるだけ早く済ませるとともに、うがい、手洗い等予防策にご留意ください。
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2010.12.29更新
第65回 一年間有難うございました
夏休みの次の更新が年末のご挨拶とは我ながらサボったものです。
便りがないのは良い便り、そこそこ無難に平穏な日々が続いております。
たいした医療をしているわけではないのですが、来院いただく患者様の数も年々増えて、10月11月12月と連続して来院数史上最高を更新。うれしい反面お待たせすることが多くなってしまって、診療にゆとりを失いつつあるようで、ふと気がつくとこなすことに汲々としている自分を見つけ、そのような対応をしてしまった方々に申し訳ない気持ちで一杯です。
一年間有難うございました。
良くなって当院を気に入ってくださった皆様、また来てくださいね。
気に入らなかった方々も、どうぞご健勝で。
新しい年が皆様にとって素晴らしい年になりますように。
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2010.08.29更新
第64回 またイタリアへ行ってきました-2-
ヴェネツィアからローマまで高速鉄道ユーロスターで移動。ひまわり畑や牧草地を列車は250km/hで疾走。随所の丘の上に聳える町々が何とも美しい。特に断崖絶壁の上の町オルヴィエートは、次回のチャンスには絶対行くぞと固く決心しました。
ローマは車やバイクがビュンビュン走り、のんびりしたヴェネツィアから着いた私にはいささかせわしなく感じられて、しばらく馴染めませんでした。しかしこの町に残る数多くの芸術遺産、ミケランジェロ、ラファエロ、カラヴァッジョなどの足跡を訪ね歩くうち、次第にこの町のペースに慣れてくると、至るところで毎日お祭りが続いているような高揚した感じが実に好ましいものに思えてきました。
写真は夜のナヴォナ広場、多くの絵描きさんや物売り、音楽家やパフォーマーも出て毎日が祝祭です。
この橋を渡ってみたかったファブリチウス橋。この橋の竣工は実に紀元前。ほぼ原型のままで使われ続けています。私が乗ってもびくともしなかった。今日本の誇る長大橋は果たして2000年後どのような評価を受けるのでしょうか。昔の人たちの偉大さを痛感させられます。
ミケランジェロのキリスト像、訪れる人もまばらなサンタマリアソプラミネルヴァ教会にあります。
反省文 人がいないのをいいことに私は天才ミケランジェロの彫刻にそっと手を触れてしまいました。大理石は想像したより暖かくぬくもりがありました。もうしませんので私をイタリアのブラックリストに載せないでください。
スペイン階段とトリニタディモンティ教会を一望できる絶景ポイントです。人が日陰によって腰を下ろしています。さるショップの2階で買い物したあとお願いしてとらせてもらいました。このときばかりは妻のあくなき物欲に感謝です。ちなみに私にはピノキオの鉛筆1.5ユーロ1本を買ってまいりました。今診察室の机に乗っています。
帰国して1週間、実は次のイタリア旅行のプランをあれこれ考えはじめています。イタリアいいところですよ。
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2010.08.26更新
第63回 またイタリアへ行ってきました -1
長い夏休みをいただきご迷惑をおかけしました。木曜日午前中診療して夜成田発、翌週日曜日の夜帰国して、月曜日から通常診療と、強行軍の日程でただいま少しヘロヘロしています。他の誰でもなく自分で組んだ日程なので、文句を言う先がありません。
でも楽しかった~。帰るのが切ないくらいでした。
今回はヴェネツィアと近くの小さな町カステルフランコ、それにローマへ行ってきました。
まず訪れたのがヴェネツィア。空港から干潟に浮かぶヴェネツィア本島まではバスで20分ほど。車は島の入り口のローマ広場までしか入れないので、あとは船に乗るか、自分で歩くかどちらかしかありません。道には車はもとより自転車も、中世以降は馬さえ禁止なので、行きかうものは人か犬だけです。何物にも気を使わず道を歩けるってのはすばらしいことなんですね。自分のリズムで時間が流れます。
水上バスも100mも進むと次の停留所、綱を舫って客が乗り降りして綱を解いて、まことに心地よいのんびりムード。ゴンドラに至っては、まるで揺りかごに乗っているような快適さでした。
ホテルの運河に面したテラスでの朝食もまことにすがすがしい。一ヶ月も休みがとれる身分なら、一日中ボケッとこの場に坐っているのも悪くないかなと思いましたが、結局あちこち観光してしまいました。日本人ですから。
ヴェネツィアは物価が高いと言われますが、サンマルコ広場やリアルト橋といった有名観光地で食事や買い物をしなかったので詳しくはわかりませんが、庶民的な地域(サンタマルゲリータ広場近く)で過ごす分には、東京よりむしろ安い印象でした。
私は一発でこの町が気に入りました。僅か4日の滞在ではまったく不足でした。もっとあちこち歩いて、もっと迷子になりたかった。
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